やこの日記ブログ

子供の成長と、親として人としての私の成長の記録です。

同僚の退職・感情はジワジワとやってくるのか

その別れには悲しみを感じられなかった。
明日からもなんら変わることがないのだと確信しているようだ。
そんなはずはないのにどこか受け入れ難いのかもしれない。

会社で仲良くしている人が9月で定年退職された。
あと2年だねなんて言っていたのが嘘みたいだ。

2年なんてあっという間。
1年なんてもっと短い。
季節は一周しかしないのだから。

彼女とは入社が同じ年で同期なのである。
ほぼ11年、まさしく苦楽を共にしてきた。

働き出してこの会社に馴染んでいくと同時に同じことを思い同じことを考えてきた。
当たり前になっている会社内の常識に何度も首を傾げてきた。

何よりも彼女とは「よしもと新喜劇」で話が合った。
二人ともこれが大好きだ。
富山では水曜日の夜中にやっている。

私は笑わないとダメな性分なのだが、彼女がいてくれて本当に助かった。
腹を抱えて笑うことが私のストレス発散。
笑えないのはつらい。

入社して何年かは仕事が辛く、笑えない日々が続いていた。
最初こそ仲良かったわけではないが、彼女の人当たりの良さに救われ少しずつ打ち解け合った。
私のくだらない話に付き合ってくれて、悩みも聞いてくれた。

この頃に私はいろんな人に心を救われたのだが、その一人だった。
そういう心の友がいなくなるのは本当は大きな損失のはずなのに、なぜか痛みを感じない。

夕方、仕事が終わってから最後のあいさつをされた。
「簡単にするよ」という言葉とは裏腹に、みんなに響く立派な挨拶だった。

月曜日から会社に行ってもあの席には何もない。
彼女のための机と椅子は次の誰かのために静かに待っている。

「ねえ、」
と振り向いてももうそこには誰もいない。
そしてそれにだんだん慣れていくんだなと思う。